大塚北口商栄会で50年以上続く老舗大衆居酒屋
平成30年度 第11回地域マーケティング大賞
優秀賞
「継続は力なり」の格言を実践している大塚鳥忠は、江古田・ときわ台とは先代が兄弟の関係で先々代の創業者が鮒忠で修行し独立したのちに3人の兄弟にのれん分けした50年以上続く大衆居酒屋である。20~30年前であれば特に珍しい店でもないのだが、再開発された大塚駅周辺では昭和の雰囲気を残した居酒屋は、ほとんど姿を消し鳥忠は最後の生き残りといっても過言でない。
1. | 口コミ | 家族経営の利点を生かした親しみのある店主の家族の接客は親父の憩いの場所として定着している |
2. | 娯楽性 | 日替わりメニューや常連客の好みで全ての料理をカスタマイズしてくれるなど常連を飽きさせない工夫をしている |
3. | CS経営 | 一人で来店する常連が多く、常連さんのリクエストでメニューに加えられた商品が多い |
50年(3代)にわたり大衆居酒屋を続ける繁盛店
半世紀にわたり親父の「飲み屋」として支持され継続するためには多くの経営ノウハウがあり、時代とともに居酒屋も奇麗になっていき、チェーン店が全盛期の中で、このような家族で経営する普通の店(現在の大塚では希少である)が生き残るための秘訣が多く存在する。
店内には10メートルを超えるカウンターがあり、一人のみの親父に対応する作りになっている。また、2階の座敷は40名程度の宴会も可能である。
店舗の運営は常連の親父を非常に意識しており常連になってもらうための工夫がされている。常連の意見を取り入れメニューに加えられた「ババの卵焼き」などは常連さんの名前を冠したメニューになっており、通常の卵焼きにスパイスを加えた独特の味付けで人気を得ている。
一人のみの親父はカウンターに案内し、店主の家族(妻、娘)が気さくに話しかけるなど親近感ある接客で常連客獲得のための努力を怠っていない。
普通の大衆居酒屋が稀有な存在に
永年居酒屋業界を生き抜いてきた社長は、この数年で日本の居酒屋のスタイルが大きく変化したことを感じている。
大手居酒屋チェーン店が乱立する中、大塚駅近郊では家族経営の大衆居酒屋は姿を消していった。事業承継が円滑に行われていること、家族経営へのこだわり、繁盛店であり続けることなどが要因と思われる。常連客を大切にして昭和の時代と変わらないスタイルでおいしいお酒と料理を提供し続けることで店舗経営を続けた結果、大塚では稀有な存在となり、大手居酒屋チェーンとは一線を画したスタイルが現在でも多くの支持を受けている。
また、板前さんが調理する刺身や漬物は素朴な味ではあるがどれも「旨い」。“当たり前のこと”(旨いものを安く提供すること)に長年努力した結果であると推測される。
大塚鳥忠 |
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住所 | 東京都豊島区北大塚2-13-5 |
業種 | 大衆居酒屋 |
ホームページ | http://www.os-bell.jp/shop/detail/?s=122 |